帰化申請のご相談を受けていると、家庭の状況や在留資格の変化により「自分は帰化できるのか?」と不安を感じる方が多くいらっしゃいます。
ここでは、実際に相談の多いケースを、行政書士の視点からわかりやすく解説します。


想定①

夫婦は日本で5年以上就労中。8か月の子どもは海外で親族に預けている。この状態で家族全員で帰化できますか?

回答

この場合、夫婦2人だけで帰化申請をすること自体は可能です。
しかし、帰化申請では「家族として日本での生活が安定しているか」が重要視されます。

お子さまだけが海外に長期間滞在し、日本で一緒に生活していない状況では、

  • 家族の生活実態が日本にあると言いにくい
  • 親子の国籍がバラバラになる状態を行政が好ましく見ない

といった理由から、許可に向けて不利に働く可能性があります。

そのため、まずはお子さまを日本で養育できる環境を整えたうえで、家族そろって申請されることを強くお勧めします。


想定②

日本人と結婚し「日本人の配偶者等」で7年在留 → 離婚 → 再婚。その後、帰化申請はできますか?

回答

来日から5年以上経過しているため、法律上は帰化申請自体は可能です。

ただし、以下の点が重要になります。

  • 現在の配偶者との婚姻関係が安定していること
  • 再婚後、「日本人の配偶者等」での在留資格更新が許可されていること
  • 新しい家庭での生活が落ち着いていると判断できる期間があること
  • 帰化申請時、ご主人に必要書類の準備や面接同席などの協力が得られること

特に、再婚後の生活が安定しているかどうかは審査上とても大切です。
再婚直後の申請だと、生活の安定性を示す材料が少ないため、ある程度の期間を置いた方が良いケースが多くみられます。


想定③

私は韓国籍の女性で、日本人の夫と結婚して5年。前夫との子(韓国籍)と一緒に帰化申請できますか?

回答

14歳以下のお子さんの帰化申請は、父母が「法定代理人」として手続きすることになります。
そのため、以下のどちらかに当てはまれば、お子さんの帰化申請が可能です。

お子さんが申請できるケース

  • あなた(母)が養育しており、ご主人の扶養に入っている場合
    → あなたが法定代理人として申請できます。
  • ご主人とお子さんが養子縁組をしている場合
    → あなたとご主人が共同で法定代理人となり申請できます。

韓国籍のお子さんの場合の注意点

韓国では、未成年の子が国籍を離脱(=日本に帰化)する際、
実父(前夫)の同意が必須とされています。

実父との連絡や同意書の取得に時間がかかるケースも多いため、
事前に確認しておくことが非常に重要です。


帰化申請でお困りの方へ

ご家庭の状況や在留資格によって、必要な書類や進め方が大きく変わります。
少しでも不安な点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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